介護士と法律には密接な関係性があります
派遣の介護士の給与にまつわる法律
他の業界から転職して介護士になるのであれば、派遣で働くほうが労働者にとっては有利になるとよく言われています。
簡単に言いますと、直接雇用されるよりも給与が高いこと、サービス残業が無いこと、有給休暇を取りやすいことなどがわかりやすいメリットとなってくるのです。
正社員として働くよりも、派遣のほうが得する部分が大きいのは明らかです。
なぜ派遣社員のほうが給料が高くなるのかといいますと幾つかの理由があります。
一番の理由は人件費コストがあげられます。
介護事業所が介護士を雇う場合は、本人への給与以外にもさまざまなコストがかかってくるのです。
求人媒体の費用、社会保険料、有給コストなど、人件費関連のすべてをその事業所が負担しなければなりません。
それだけの手間と金を使って採用したのにすぐにやめられたのではもったいない限りです。
それなら、派遣会社が一定のスキルがあるとみなしている人材を採用したほうが、手間もお金も無駄にはなりません。
だから雇用する側としては、高い給料を支払っても損はしないのです。
なお派遣社員の社会保険や有給コストなどの人件費は、法律に基づいて派遣会社が負担しております。
法律の制約があって介護士の賃金が低めに抑えられている側面も
福祉の問題が議論されるとき、介護士の賃金の低さが論議される場面が多くみられるようになりました。
これにはさまざまな要因がありますが、一つは法律の問題もあります。
介護保険制度が介護士の給料の安さにつながっている要因も考えられるのです。
高齢社会が進むことによって、高齢者のケアを医療と介護とに分け、できるだけ介護のほうにはコストをかけないようにするシステムにした、との経緯があります。
介護保険法が施行される以前は医療として高齢者介護をおこなっていたのですが、あまりに高齢者が増え過ぎたことで、医療の分野のままで医療費が膨大になり過ぎるとの発想からのものです。
あえて言えば、高齢者のケアにお金をかけないために生み出されたのが介護保険制度に当たります。
介護報酬は医療報酬よりも低く設定されているのはその背景があるからにほかなりません。
言うなれば、法律ができた時点で高額な賃金が期待できない位置づけにあったと考えていいでしょう。